神学入門 - Theological Note

読みぱなっしにならないように、学びの記録をつけておこうと思います。

信仰告白を知る

教義学を学ぶとき、信仰告白は大事な軸です。

基礎資料ばかり並べてもつまらないですが、記録として。信仰告白一覧

 

関川 泰寛、三好 明、袴田 康裕編『改革教会信仰告白集』(教文館、2014年)

改革派に関係する信仰告白の邦訳が整理されています。

www.kyobunkwan.co.jp

【目 次】

第一部 基本信条

ニカイア信条(381年)(関川泰寛訳、解説:関川泰寛)
カルケドン信条*(451年)(関川泰寛訳、解説:関川泰寛)
アタナシウス信条*(5─6世紀頃)(関川泰寛訳、解説:関川泰寛)
使徒信条(8世紀頃)(『讃美歌』所収訳、解説:関川泰寛)

第二部 改革教会の信仰告白

ジュネーヴ教会信仰問答(1542年)(渡辺信夫訳、解説:渡辺信夫)
スコットランド信仰告白*(1560年)(原田浩司訳、解説:原田浩司)
ベルギー信仰告白(1561年)(大崎節郎訳、解説:大崎節郎)
ハイデルベルク信仰問答(1563年)(春名純人訳、解説:春名純人)
第二スイス信仰告白(1566年)(渡辺信夫訳、解説:渡辺信夫)
ドルトレヒト信仰規準(1619年)(牧田吉和訳、解説:牧田吉和)
ウェストミンスター信仰告白(1647年)(村川 満・袴田康裕訳、解説:袴田康裕)
ウェストミンスター大教理問答(1648年)(松谷好明訳、解説:袴田康裕)
ウェストミンスター小教理問答(1648年)(松谷好明訳、解説:袴田康裕)
バルメン宣言(1934年)(加藤常昭訳、解説:加藤常昭)

第三部 日本の教会の信仰告白

日本基督教會信仰の告白(1890年)(解説:五十嵐喜和)
日本基督改革派教会信仰規準ノ前文(1946年)(解説:袴田康裕)
日本キリスト教会信仰の告白(1953年制定、1985年一部改正)(解説:三好 明)
日本基督教団信仰告白(1954年)(解説:藤掛順一)

 

 

 

キリスト教教理史を学ぶ本 (その1)

個人的な興味は、古代のイスラエルで生まれたキリスト教のコミュニティが、神殿破壊などの厳しい時代の流れのなかで、どのように布教し、教義を確立したか。

使徒言行録15章には、エルサレムの使徒会議が記されていますが、そうしたキリストの死後からニカイヤ会議までの社会的思想的な環境、それに対してキリスト者がどう向き合ったか、そこから、教会組織、典礼(儀礼)、教義、正典などがどう形成されたのか。

風刺作家に激しく批判されたり、内部の司祭でも「キリストの位置づけは微妙」という議論が繰り返されたり、そうした環境が浮き上がってきます。

信仰として譲ってはいけないのは何か、ギリシアやローマの哲学世界に向けて異邦人に伝えるべき福音は何だったのか、可変性と普遍性の見極めの原点は、とても興味があります。

 

ルイス・ベルコフ (著)『キリスト教教理史』(赤木 善光、磯部 理一郎 (訳) 、日本基督教団出版局、1989年)

N. ブロックス (著)『古代教会史』(関川 泰寛 (訳)、教文館、1996年)

C. スティッド (著)『古代キリスト教と哲学』( 関川 泰寛、田中 従子 (訳) 、教文館、2015年)

J.N.D.ケリー (著)『初期キリスト教教理史』(津田 謙治 (訳)、一麦出版社、2010年)

 

『教義史』でよく引用されるハルナックは、ベルリン大学の総長を務めた神学者。森鷗外が近代日本のモデルとして高く評価し、カール・バルトによって葬られたと言われます。「自由主義神学」の立場でとても客観的に教義史を描き出そうとしています。それがバルトから「信仰によって」という軸に揺り戻されたと言えます。

 

日本で書かれたものとしては、丁寧に読んでいると、日本のキリスト教の巨人だと感じます。

 

石原 謙 (著)『キリスト教の源流―ヨーロッパ・キリスト教史』(岩波書店、1995年)。

『神田盾夫著作集』 全5巻 (川田殖、松永希久夫編、みすず書房、1976-81年)。

 渡辺信夫 『プロテスタント教理史』(キリスト新聞社 2006年)。

 

 

それぞれの読書ノートは、あらためて掲載します。

 

ネットで読める読み物は、こんなものがありました。
検証していないですが、読み物としてメモしておきます。

福音書が生まれた背景を考える

パウロの年表

 

神学の入門で読む本(その1)

もう一度、基礎から俯瞰してみようと思ったときに、何から読むのか、悩みどころです。
こんなところから手をつけてみました。


神学するということについて

深井智朗(著)『神学の起源: 社会における機能 (神学への船出 (03))』(新教出版、2013年)。
これは、神学の基礎資料というよりも、その一歩前の「神学とは一体なぜ必要になったのか?」というお話が整理できます。

もうひとつは、 神代 真砂実、川島堅二、西原廉太、深井智朗、森本あんり(著)『 神学とキリスト教学―その今日的な可能性を問う 』(キリスト新聞社、2009)。
これは、伝道者養成のための神学、キリスト教学、キリスト教文化学、宗教学としてのキリスト教研究など、異なった立場の先生方が「神学とは?」というお話をされた講演録(2009年3月27日の、日本基督教学会関東支部、日本組織神学会、聖学院大学組織神学研究センター共催の公開シンポジウム)。 神学を学ぶってなんだったっけ?ということを確認するヒントになる一冊です。

神学入門

では、神学の手始めに何を読むか。
神学の基礎知識を習得するためにいろんな人が薦めてくれたのが、アリスターマクグラスの著作でした。
佐藤優も『神学の履歴書』のなかで、「日本語で読めるおそらく唯一の神学の包括的文献」と薦めていましたね。)

アリスターマクグラス(Alister Edgar McGrath、1953年1月23日 - )は、北アイルランド出身のイギリス聖公会に所属する神学者。前オックスフォード大学歴史神学教授。2008年9月からロンドン大学教授。 「科学的な神学」(scientific theology)を提唱し、歴史的事実の積み重ねで論証するアプローチが取られているのが特徴です。

信奉するわけではないですが、総論を、比較的中立の立場で(でも英国国教会の視線で)語っているので、神学の地図を広げようとするときにはとてもいいのです。

 

総論を眺めるには、

アリスター E.マクグラス (著)
総説キリスト教―はじめての人のためのキリスト教ガイド』(本多 峰子 (訳)、キリスト新聞社、2008年)
絶版なのが残念なところ。図書館ではよく見ます。

 

神学で取り上げられるテーマを俯瞰するには
アリスター E.マクグラス (著)
神学のよろこび―はじめての人のための「キリスト教神学」ガイド』(芳賀 力 (訳) 、キリスト新聞社、2005年)。

 

ちょっとむずかしいけれど、きちんと概論を網羅するには、
アリスター・E. マクグラス (著)
キリスト教神学入門』(神代 真砂実 (訳)、教文館、2002年)

 

具体的な思想史を通史として知るには

アリスター・E. マクグラス (著)
キリスト教思想史入門―歴史神学概説』(神代 真砂実, 関川 泰寛 (訳) 、キリスト新聞社、2008年)

 

プロテスタントの思想、宗教改革の思想について整理するにはこの2冊。

A.E. マクグラス (著)
プロテスタント思想文化史―16世紀から21世紀まで』(佐柳 文男 (訳) 、教文館、2010年)

 

 アリスター マクグラス (著)『宗教改革の思想』(高柳 俊一 (訳) 、教文館、2000年)

 

もうひとり、歴史神学の巨匠と言えるのがフスト・ゴンサレス。

フスト・ゴンサレス(Justo Gonzalez、1937年8月9日- )は、キューバハバナ生まれのメソジストの神学者で歴史神学、ヒスパニック神学で活躍した人です。

 フスト・ゴンサレス (著)『キリスト教史』(石田 学 (訳) 、新教出版社、2002年)

 

もうひとり、20世紀の「古典」となりますが、

 カール・バルト (著)『福音主義神学入門』(加藤 常昭 (訳)、新教出版社、2003年復刊)。

1961-62年の冬学期に行ったバーゼルでの最後の講義をまとめたもの。
今、最先端の神学を学ぶ人の間で、ティリッヒは語られますが、バルトは歴史の人として語る人が増えています。ただ個人的には、こうした系譜の影響を強く受けているので、とてもしっくりきました。

 

 

いろいろ読んだ後に、何かいい紹介サイトはないかと探したら、こんなページを発見。だいたい同じような本を、同じように捉えていておもしろかったです。

聖書学や日本のキリスト教史は、基本書を読み返すことはしていないから、最近の著作はあんまりわからないなぁ。

こんなサイトも発見しました。邦文基礎文献をまとまって拝見できます。(2015/8/14)

神学文献大調査は聖書に立ち教会に仕える書籍案内です

 

 

dolores.hatenablog.com

神学のテキストを読み始めました。

改めて、いろんな本を読み直し始めました。
忘れないように自分のメモを書いていきたいと思います。
玉石混淆の記録になりそうです。

どういう環境で学ぶか、悩みどころですが、
とある組織神学の先生に、
「まずは虚心にクラシカルな本をよく読んでごらん」とアドバイスをいただき、
そのように始めてみようと思っています。

 

客観的な情報を論じるよりも
自分としてどう消化するか…それがテーマです。