神学入門 - Theological Note

読みぱなっしにならないように、学びの記録をつけておこうと思います。

キリスト教教理史を学ぶ本 (その1)

個人的な興味は、古代のイスラエルで生まれたキリスト教のコミュニティが、神殿破壊などの厳しい時代の流れのなかで、どのように布教し、教義を確立したか。

使徒言行録15章には、エルサレムの使徒会議が記されていますが、そうしたキリストの死後からニカイヤ会議までの社会的思想的な環境、それに対してキリスト者がどう向き合ったか、そこから、教会組織、典礼(儀礼)、教義、正典などがどう形成されたのか。

風刺作家に激しく批判されたり、内部の司祭でも「キリストの位置づけは微妙」という議論が繰り返されたり、そうした環境が浮き上がってきます。

信仰として譲ってはいけないのは何か、ギリシアやローマの哲学世界に向けて異邦人に伝えるべき福音は何だったのか、可変性と普遍性の見極めの原点は、とても興味があります。

 

ルイス・ベルコフ (著)『キリスト教教理史』(赤木 善光、磯部 理一郎 (訳) 、日本基督教団出版局、1989年)

N. ブロックス (著)『古代教会史』(関川 泰寛 (訳)、教文館、1996年)

C. スティッド (著)『古代キリスト教と哲学』( 関川 泰寛、田中 従子 (訳) 、教文館、2015年)

J.N.D.ケリー (著)『初期キリスト教教理史』(津田 謙治 (訳)、一麦出版社、2010年)

 

『教義史』でよく引用されるハルナックは、ベルリン大学の総長を務めた神学者。森鷗外が近代日本のモデルとして高く評価し、カール・バルトによって葬られたと言われます。「自由主義神学」の立場でとても客観的に教義史を描き出そうとしています。それがバルトから「信仰によって」という軸に揺り戻されたと言えます。

 

日本で書かれたものとしては、丁寧に読んでいると、日本のキリスト教の巨人だと感じます。

 

石原 謙 (著)『キリスト教の源流―ヨーロッパ・キリスト教史』(岩波書店、1995年)。

『神田盾夫著作集』 全5巻 (川田殖、松永希久夫編、みすず書房、1976-81年)。

 渡辺信夫 『プロテスタント教理史』(キリスト新聞社 2006年)。

 

 

それぞれの読書ノートは、あらためて掲載します。

 

ネットで読める読み物は、こんなものがありました。
検証していないですが、読み物としてメモしておきます。

福音書が生まれた背景を考える

パウロの年表